石ころや漂着物、あるいは廃材など、誰に言われるでもなくただそこに存在するもの。
時として人はそれに対し何かしらの「意思」を見つけようとします。その「意思」をより顕在化させるために、ものに手を加え始めたことが、ある種の宗教美術と呼ばれるようになったのかもしれません。
企画展『いつか来た未知』は、そんな神仏を彫るような「ものの意思を具体化する」手前の、より原始的な「ものに意思を見出す」ところに宿る創造性に着目する2組の作家による展覧会です。
オブジェをディグし、しつらえたりすることを通してものの霊性を可視化させる古道具店「がふ」。多彩な技法によって何気ないものに対する根源的な畏敬の念を喚起させる画家、谷口典央。
両者の表現を一空間に配し、ものを巡る人類普遍のインスピレーションの、他でもない今日における深化の様相を観測します。
(企画:綱田康平)