『 白色矮星 』 백색왜성 White dwarf  
韓国の現代東洋画を論じるには、それが二重三重にも捩れている点を捉える必要がある。一つ目は、ファインアートと民俗画白色星(英:white dwarf)は、エネルギーが核融合反応によって生み出されなくなった、星の残骸を指す言葉だ。キム・ヒョジン(金孝珍、1990年生まれ)にとって白色星はどんなものだろうか。韓国から来て、日本に滞在しながら、日本で子供を持つようになって、不思議で親しみのある感情を抱いた。出産の経験はエネルギーを奪い、身体をからっぽにしてしまうのか。身体は、最も身近でありながらも、未知の場所である。力を内に秘めた一卵やつぼみのような形で、絵の中に登場する。
どこかにつながっているとじる気持ちが地上と空を、過去と現在を、韓国と日本を行き交う。地上で星を見るように、遥か先に生命力が芽生える。

백색왜성(E로, white dwarf)은 핵융합으로 에너지를 더는 생산하지 않는 별이다. 김효진(1990년생)에게 백색왜성은 어떤 것일까. 한국에서 온 그가 일본에 체류하면서, 일본에서 아이를 갖게 되면서 느낀 감정은 낯선 동시에 친밀했다. 출산을 경험한 작가의 몸은 에너지가 고갈된 곳일까. 몸은 내게 가장 친숙한 곳이자 잘 모르는 곳이다. 알과 봉오리처럼 내밀한 힘이 되어 화면 속에 담긴다. 어딘가로 연결되어 있으라는 믿음이 지상과 하늘을, 과거와 현재, 한국과 일본을 넘나든다. 지상에서 별을 보듯, 저멀리 생명력이 움튼다.


●キュレーション
紺野優希/콘노 유키(Yuki Konno) 
韓国と日本で美術展を見て、文章を書いています。
企画展『アフター・アフター・10.12』(ジョン・ユジン、杉本憲相、Audio Visual Pavilion、韓国ソウル)、ソウル・フォトフェスティバル『素敵な新世界』、特別企画展『Walking, Jumping, Speaking, Writing. 境界を、 ソウルを、 世界を、 次元を. 경계를, 시간을, 세계를, 차원을. 신체는, 링크는, 언어는, 형태는.』(SeMA Storage、韓国ソウル、2018)、『新生空間展: 2010年代の新しい韓国現代美術』(カオス*ラウンジ五反田アトリエ、2019)、『韓国からの8人』(パープルームギャラリー、2019)、パク・ジヘ個展『Lepidoptera』(FINCH ARTS、2021)、『HOI-POI:Korean & Japanese Contemporary  Painters』(FINCH ARTS、SPACE Four One Three、2021)などの展示を企画・共同企画・企画協力した。GRAVITY EFFECT 2019 美術批評コンテスト次席。


●期間
2025年11月24日(月・祝)〜12月21日(日) 
13:00-20:00 
(会期中、土・日・祝日のみオープン)

●作家

キム・ヒョジン / 金孝珍
クォン・ヘソン(권혜성/Kwon Hye Seong)
1985年生まれ 
Hongik University 絵画専攻 卒業
Email:brillianths15@gmail.com
Instagram:@oiji_works

「晩秋の肌寒い日、西北から吹く風」145 x 75cm 壯紙にコンテ 2019
個展
2020 <Back Beat!>, Space Willing &Dealing, Seoul, Korea
出展作の「晩秋の肌寒い日、西北から吹く風」(2019)は、済州島の丘(오름:寄生火山)から風を見て描いたものです。済州島は一年中風がよく吹いて、その日も全身で風を感じながら過ごしていました。丘に登ると、風に吹かれるススキが見えました。その様子を絵に描きたいと思いました。暗くてじめじめした、でも暖かな風が吹く風景を表現しました。西北から吹く風のことを、済州島の方言で「ソタニパルン(섯하니바름)」と言うそうです。
キム・へスク / 김혜숙
 
キム・ヘスク(김혜숙 / Kim Hyesook)
1981年生まれ 
Sejong University, Music, Fine Arts and Physical Education 大学院 絵画専攻 修了
Email:rlaabcde@naver.com

「Curve」72.7x53.3cm 壯紙にシャープペン、墨、彩色 2021
個展
2021 <Frame>, ART SPACE BOAN 1, Seoul, Korea
2018 <knock, knock>, KSD Gallery, Seoul, Korea
2018 <knock, knock>, The Cheong-ju Art Studio, Cheong-ju, Korea
2017 <vacancy>, Art & Culture Space Yeoinsuk, Gunsan, Korea
グループ展
2022 <PENCILISM>, Gallery MEME, Seoul, Korea
2021 <The Enigma of a Day>, A BUNKER, Seoul, Korea
2021 <PLANARIA>, Platform mortar, Goyang, Korea
2021 <Caress and Graze>, Fine Paper Gallery, Seoul, Korea
2019 <INTER-VAL, INTER-VIEW>, Tri-bowl, Incheon, Korea
2019 <Double Consciousness>, OUTHOUSE, Seoul, Korea
2019 <Sender Inquiry>, The Cheong-ju Art Studio, Cheongju, Korea
ほか多数
空間がいかに時間を可視化できるか、探求しています。通過性の高い薄い紙にシャープペンで細く描き、絵の具を薄く重ねることで、視覚的なリズムを作り出します。同時に、空間に積み重ねられた時間を見出そうとする過程でもあります。
ヤン・ユヨン / 양유연 
ヤン・ユヨン(양유연/Yooyun Yang)
1985年生まれ
Sungshin Women's University 大学院 東洋画専攻 修了
メール:
Instagram:@yangyooyun

「Black Curtain」各53 x 45cm 壯紙にアクリル絵具 2021
個展
2019 <I know the day will come>, Amado Art Space, Seoul, Korea
2016 <distrust and overtrust>, Gallerylux,, Seoul, Korea
2014 <They (I, You, He, and We) Cry>, OCI Museum of Art, Seoul, Korea
2013 <The full night>, GalleryBundo, Deagu, Korea
2012 <Daydream>, Gallery SoSo, Heyri Art valley, Korea
グループ展
2021 <The 8th Chongkundang Yesuljisang>, SEJONG CENTER Sejong Museum of Art 1, Seoul, Korea
2021 <Songs Without Words>, Gallery SoSo, Heyri Art valley, Seoul, Korea
2019 <The Adventures of Korean Painting: I Will Go Away All By Myself>, National Museum of Modern and Contemporary Art, Cheongju, Korea
ほか多数
他人と共有しきれない感情に由来する、究極的な孤独を根拠づける不確実な世界と、信頼を寄せられない対象に注目している。
一瞬のうちに通り過ぎ去った場面を捉えて画面に描き出したり、その瞬間の感情を最大限表現しようと試みている。
ある一人の暮らしが自然と創作物に映し出されるように、日常で見て感じたことを描き続けている。
イ・イェジン / 이예진
イ・イェジン(이예진/Yejin Lee)
1993年生まれ 
Sungshin Women's University 大学院 東洋画専攻 修了
Email:yejin9308@naver.com
Instagram:@yo.zi_

「Bohol」116.8 x 91.0cm 壯紙(5枚重ね)に彩色 2018
グループ展
2020 <수족관(水族館)>, WWW SPACE, Seoul, Korea
2020 <A Little Forest>, Nella Foresta x Public Gallery, Uiwang, Korea
緑の自然を重ね、自然の中の数多くの色を用いて制作しています。
イ・ウンジ / 이은지
イ・ウンジ(이은지/Leeeunji)
1989年生まれ
Ewha Womans University 大学院 東洋画専攻 修了
ホームページ:https://leeeunji-eunjilee.com
Email:leeeundi@gmail.com
Instagram:@leeeunji._

<Creeper>, 2020, Keep in Touch, Seoul, Korea 会場記録
個展
2020 <Creeper>, Keep in Touch, Seoul, Korea
2019 <Breath-holding>, Seoul Art Space Seogyo, Seoul, Korea
グループ展
2021 <Cloud Shadow>, Seongbuk Young Art Space, Seoul, Korea
2020 <cut! cut! cut! — index>, Alltimespace, Seoul, Korea
2019 <PERFORM 2019: Linkin-out>, Ilmin Museum of Art, Seoul, Korea
2019 <When Dijiang Dances>, Gallery 175/ Jungganjijeom, Seoul, Korea
スペース運営
2018年〜:中間地点(jungganjijeom.com)
普段歩いている場所の風景を、昔からよく描いていた。それは、自分自身の規模に合わせて外の世界を眺めたいという気持ちがあったからだと思う。急速に過ぎ去ることの中から、自分のスピードに合わせて見ることができるものを、規模やサイズに合わせて描く。瞬間は私の行動よりも早く通りすぎ、掴み取ったところで、それは朧げなままだ。それでも、1つ1つが今を語る彫刻的な/破片的な(=조각적)絵画になることを信じて、制作している。
散らばっていながらも集合している作品は、直観的ではあるものの、プロセスが重要である。一つのテーマとして、一種類として、または多彩な画面が集まり、一つの平面として展開され、互いに支え合う立体的な構造の画帖として、小さなかけらに多角的な視線が集まり、そして散らばる。それは、異なる印象を人それぞれに与える隙間に満ち溢れた、朧げで曖昧な塊として作り出される——まるで、絵に残された余白が、説明のない具体性をそれぞれに思い起こさせるように。
その昔、書画の余白に題跋(作品の末尾に作者や第3者によって残された記録)が用いられたように、私の観点が込められた作品もまた、別の誰かに解釈されて、説明を補足される。印象の隙間を残すことで、私の作品は個人的でありながらも同時に、共同の話が込められる関係的なものになることを願っている。
企画展『韓国画と 東洋画と』の出展作「蔓///実行.立てかける.相互(Creeper/Climber///exhales.sponge.restless)」は、一瞬の内に過ぎ去った「蔓」の印象を、ロードビューで10年間たどり、12の姿で描いたものである。制作は、1枚の紙を一つの瞬間と捉え、複数の紙で貼り合わせることからはじめられた。貼り合わせたものを過去から現在の順に一枚ずつ剥がし、現在に近づくにつれて以前の痕跡が折り重なる。いくつもの時のかけらは、一つの塊(画帖)にもなり、会場という空間では可変的に展開され、また少し違う印象を与える「蔓」となる。
イ・ヒウク / 이희욱
イ・フィウク(이희욱/Yi Huiwook)
1981年生まれ
Kookmin University 大学院 美術学科 絵画課程 修了
Email:trotsky1917@naver.com
Instagram:@trotsky1917

「鏡-image」72.7 x 60.6cm リネンに油絵具 2021
個展
2021 <ecce homo>, A-Lounge
2017 <些細なものの宴(대수롭지 않은 것들의 잔치)>, Hwangumhyang, Seoul, Korea
グループ展
2019 <LIMEN:interspace>, Insa Art Space
2018 <ふたつの今日(두 개의 오늘)>, weekend 2/w, 
ほか多数
今回の出展作は、昨今の韓日関係への問いかけから始まりました。ここ数年、韓日関係は政治的に冷えきっています。内々の政治問題を解決したり、ポピュリズムに傾いた政権を結束させようと、両国の関係は政治的に活用されました。それによって、両国の「国民」は非常に排他的な関係に置かれることになりました。「鏡-image」は、そのような民族主義的排他性に対するアンチテーゼです。この絵には、モデルの意見がたくさん反映されています。以前にもモデルを呼んで(ほとんど知人ですが)描いたことがありました。今回の制作にあたって、これまでの作品の主なテーマであった鏡を、今回も使ったらどうかと言われました。冬と空の色合いが一度に、二つの空間として現れることで魅力が増すと言われました。私としても、関係のアレゴリーとして働くことを望んだので、鏡を用いました。
チェ・カヨン / 최가영
チェ・カヨン(최가영/Kayoung Choi)
1989年生まれ
Seoul National University 大学院 東洋画専攻 修士
Email:ckyilae@gmail.com
Instagram:@studio_kayoung

「セルビアの山-Marija Curkから」2020, キャンバスにアクリル絵具, 262 x 262 x 5 cm(計6点), 会場記録(2020, Art Space Hyeong, Seoul, Korea)  
個展
2022 <Survival in Fantasy>, Kumho Museum of Art, Seoul, Korea
2020 <A Serbian Mountain, a Quarry, Venčac>, Art Space Hyeong, Seoul, Korea 
2019 <Stay by My Side>, Do-So Artist Residency, Fujiyoshida, Japan
2019 <The Shadows of the Unseen>, Dongduk Art Gallery, Seoul, Korea
2019 <Finding a Slice of Rainbow>, Gallery Doll, Seoul, Korea 
2018 <All Alright>, Government Complex Seoul, Seoul, Korea 
2017 <Found>, Gallery DOS, Seoul, Korea
2014 <Canned Landscape>, Samkaup úrval Ólafsfirði, Ólafsfjörður, Iceland
現実と理想の関係を表現し、絵画で経験することを探究している。写真や映像、文章といった他者の記録から、立ち入れない時空間の臨場感を想像し、写生するように描いて展示会場に演出を試みる。
チェ・スリョン / 최수련
チェ・スリョン(최수련/CHOE Sooryeon)
1986年生まれ 1986年生まれ 
Hongik University 絵画専攻 修了
Seoul National University 大学院 西洋画科 修了 
Email:sooryeonchoe@gmail.com
Instagram:@choesooryeon

「泰平女」145 x 112cm リネンに油絵具 2020
個展
2020 <霧中筆寫>, Sansumunhwa, Seoul, Korea 
2020 <Pictures for Use and Pleasure>, Incheon Art Platform, Window Gallery, Incheon, Korea

2019 <Music from a Decaying Country>, The Cheong-ju Art Studio, Cheongju, Korea
2018 <Music from a Decaying Country>, O'NEWWALL E'JUHEON, Seoul, Korea 
今日表象される東洋風なイメージの様相や、消費の仕方に興味がある。近代化以降、韓国社会では「東洋的な」ものは、廃れて奇妙なものとして受け入れられた。東洋的なものを疑いながらも、覆い隠し、好み、その効用を今一度模索する。東北アジアが共有している伝統的なクリシェとイメージをもとに、悲哀や女性、現実との乖離、内面化されたオリエンタリズム、疑念、無知と不条理を描いている。
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